本日は音楽機材のサンプラーについてのお話です。
私は SP 404サンプラーを2012年頃に秋葉原で購入して以来ほとんど使ったことがありませんでした。
使うぶんには使っていましたがライブの時の音のポン出しや、SEを入れたり 、気に入ったサンプルがあったら貯蔵しておくぐらいにしか使っていませんでした。
本日はそんな SP 404のヒップホップ的な実用性をお話ししていきたいと思います。
サンプラーSP-404とは!?
音楽機材の会社Roland(ローランド)が開発した小型のサンプラー音楽機材です。
これ一台でレコードなどからサンプリングしてシーケンスを組んで曲を作ることもできます。
非常に多様性があり数多くのエフェクトを収録していて、内蔵マイクも搭載しているので全ての音をサンプリングすることができます。
12個のパットがついたおもちゃのような機材ですので、ライブでも使いやすいですし持ち運びもかなり楽です!
ラッパーがステージで SP 404を使ってライブしたり、 ビートメーカーが DJ ブースに SP 404を持ち出してビートライブしていたり、ダンサーや演劇をしている方なども使っている非常に万能な機材です。
SD カードなどを使えば50時間近くサンプリングすることが可能ですので、とりあえず使わなくても一家に一台置いとけば安心感はあります。
本当にSP 404で曲は作れるの!?
もちろん作曲は出来ますし実際それでアルバムを作って配信してる方なども知っています。
Jdillaが一個前のSP 303でアルバムを作ったと言うお話は非常に有名だと思います。
ただしそれも本当にそれのみで作ったのかどうかは 真偽は定かではありません。
どーせ他になんか使てんだろ!

私はもう10年近く SP 404を所有していますが、これで曲を作ったことは正直一度もございません。
買ったばかりの当初に1回挑戦してみたんですが速攻で挫折しました。
その時は MPC 2000を使っていたんですが、そっちの方が簡単でやれることもたくさんあったので結局それ以降楽曲の制作では使わなくなってしまいました。
サンプルを並べて簡単なシーケンス送ることができるんですが、ベースラインを入れたり展開を作るのが MPC よりも難しくて自分的にはめんどくさいなと思ってしまいました。クズなんで。
後は波形などを視覚で確認することができないので、サンプルをチョップしたりする際も基本的に全てお前の耳頼りになります。
僕的には不便だったんですが、逆に視覚で確認できないので 不思議なチョップができたりして面白いトラックが作れるんだとおっしゃる方もいます。
ベッドルームミュージックみたいにベッドの上で SP 404を持ち込んで寝っ転がりながらビートを作成するのが未だに夢です。
SP-404とSP-404SXのエフェクトの出音もそれぞれ違うので面白いです。
SP 404はエフェクターとして最高!!
最近のローファイヒップホップのあおりを受けたビートメイカーたちの間では当たり前かもしれませんが、 SP 404は内蔵されているエフェクターが最高です!

マジでコンプレッサー代わりとして購入してそれ以外はまったく使わないという人もいるぐらいエフェクターとして使えます!
私はそこまでローファイヒップホップが特別好きなわけではないですが、 SP 404という機材のエフェクトがなければlo-fi文化は 生まれてなかったんじゃないでしょうか。
ローファイヒップホップは一部ではただ垂れ流すだけの思考停止の音楽と批判してくる人もいますが、中には作りこんでる人はめちゃめちゃ展開も作りこんでるし非常に音の鳴りにもこだわっているので私は全然ありだと思います。
4万円ぐらいという低価格な設定も金のない B boy 達には非常に優しいところです。
DJ みたいに スクラッチするエフェクトや ピッチを落としたりネタをこもらせる様なエフェクトも最高なんですけども。
基本的にSP 404と言ったら vinyl sim(バイナルシム)と コンプレッサーの2つだけ押さえておけば後はどーでも良いです!
この2つのエフェクトは同じコンプ何ですが実は用途が少し違います。
コンプレッサーとは
こちらは普通にパソコンのDAWソフトなどで音楽を作っている人は日常で使用していると思います。というかほとんどの機材に搭載されているので一度も使ったことないという人はいないと思います。
じゃあ何でわざわざ SP 404のコンプを使わないといけないのか。
それはズバリこのコンプでしか味わえない音像の面白さがあるからです!
サイドチェーンがかかっている様なうねるようなこのグルーブ感は 皆さん口を揃えて SP 404でしか出せないとおっしゃっています。
実験的にDAWソフトでもエフェクトを重ねてかけて SP 404のコンプを再現しているトラックメーカーの方もいらっしゃいますが、もちろん完璧に再現することはできないですし結構面倒くさそうでした。
SP 404ならボタンをポチッと押すだけで一瞬であの暴力的なグルーヴを手に入れることができるのです。
コンプのつまみのべスポジです↓↓
コンプをかけすぎるともちろんデメリットがあってドラムが激しすぎて耳が痛くなってしまったり、バスドラが全然聞こえなくなっちゃったみたいな事故もかなり多発します。
ですがそれにも色々裏技がありまして、通常のミックス時よりもサンプリングネタを若干小さめに音量を整えておくとドラムがいい感じに聞こえたりとビートメイカーたちは日々試行錯誤を重ねています。

私も毎日子供たちのお弁当を試行錯誤しております!
僕個人の意見ですとブーンバップ的なトラックだったらいいんですが、綺麗なピアノを聞かせたい場合ですとドラムがちょっと前に出過ぎてしまうミックスになってしまうのでそんなにコンプは使用していません。
ただトラック自体にドープな雰囲気を出したい時でしたらめちゃめちゃハマると思います!
ガンガンうねりを加えたい場合はぜひおすすめです。
vinyl sim(バイナルシム)とは
私からすると使用頻度はこちらのエフェクトの方が多いです。
とはいっても最近出したアルバムには全く使っていないので、これからもう少し実験を繰り返してガンガン使っていこうと思います。
バイナルシムにもコンプレッサーと同じように音を潰したり音圧を上げるような機能を備えてるんですが。
コンプレッサーと比べるとvinyl simは、音のレンジを狭くしてギュっと凝縮したような音像に近いです。
非常に言葉で言い表すのが難しい表現ですのですいません。
音のレンジを狭くすることでよりはアナログでローファイな空間を作ってるような感じです。 コンプの要素も含んでるんですが、そこまで暴力的ではないのが印象です。
バイナルシムもしっかりとグループを作ってくれます!
プラス、レコードのノイズ音を足したり、レコードのアナログな歪みを出してうわネタを揺らすことも可能です!
一個でいくつもの要素を含んでいるめちゃめちゃ優れたエフェクトですね!
ですのでピアノを揺らしたい時だけに使う人もいれば、ノイズをちょっと足したいなという時に使う人もいます。
トラックメーカーによってはvinyl simをうわネタ、ドラムのみ、ベースのみ、みたいに単品でエフェクトかけて音のレンジを広く使うものと狭く使うもので棲み分けさせて面白いグルーヴを開発していく人もいます。
同じように見えてコンプレッサーとヴァイナルシムは 全く違う用途で使われます。
狙ってる用途が違うのでヴァイナルシムを使った後に コンプレッサーをかけても全然オッケーです!
重ねてかけることによってトラックはかなりぶっ飛んだ方向に進んでいきます!
私はコンプレッサーよりもバイナルシム が好きなのは グループは出るけど耳に優しい出音が好きです。
深めにかけてもスネアなどのドラムが耳に痛くないところが気に入っています!
vinyl sim(バイナルシム)とコンプレッサーのデメリット
仮にクソみたいなビートでもこのエフェクトをかけると逆に良いかもみたいに思ってしまうところです。それぐらいグルーブが変わってしまうのでジャッジには確かな耳がないと後々辛くなります。 この世界には逆になんて存在しないのです。
後は細かいヒスノイズみたいのが結構入ります。
これはコンプで音圧を上げているので仕方ないことなんですが、綺麗なトラックにこだわっている方は気になるかもしれません。
しかし残念ながらおそらく取り除く方法はないと思います。
最後は2ミックスにしかエフェクトをかけることができないことです。
これは別にかけようと思えばかけれるんですが、一音一音個別にパラでエフェクトをかけてしまうと音像のまとまり感とグルーヴ感は完全に無くなってしまいます。
vinyl simをせっかくかけた意味がありません。
例えばラッパーにトラックをパラデータで個別に下さいと言われた時は正直冷や汗もんです。
その時あなたは鬼の2ミックス一本のデータで勝負しなければいけません。
私もこの問題が気になってめちゃめちゃ調べたんですが、トラックメイカーの方たちはもはや開き直って「俺の2ミックスが気に入らねえんだったら使わないでください」みたいなノリで制作の依頼をはねのけているようです。
いやヒップホップすぎだろとは思いましたけど、冷静に考えたら確かにそうかもしれません。
ヒップホップは基本的にグループが命なのでそこがすっぽりと抜けちゃってるパラデータを渡すなんて B ボーイのプライドが許しません。
曲の展開とかドラムの抜き差しなんかよりも、首が触れないトラックの方が恐ろしいです。
2ミックスの一本のトラックの上に声を乗せるのでラップの声が埋もれてしまう可能性もあります。
しかしそれはビート自体をより多く聞かせることにも繋がるので それはそれで好きな人には良いミックスなのかもしれません。

声がトラックより前に出すぎてると踊れないときってあるわよね。
ただMPC 作るにせよパソコンで作るにしても SP 404のエフェクトは最終ミックスでの音になると思います。
エフェクトをかけた後の未来を想像できなければ悲惨な事態になりますので注意してください!!
デメリットも多くあげましたが、私にとっては 今のところメリットの方が12倍ぐらい大きいので正直あまり気になりません。
もう少し実験を重ねて次のアルバムからは多様していくと思います。
40000円台で買えるので、少しでも興味があれ制作に取り入れてみてください!
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